ラジカセ

何もしなくても、適当にSNSに関わっていると、色んな情報が流れてくる。
その中でちょっと気になったのが、カセットテープ人気が再燃しているという。

例えばこんな記事。
https://wired.jp/2019/10/14/cassette-comeback-sales/
他人の記事を要約するほど暇じゃないので、詳細は見てもらえば分かるので割愛。
媒体としての手軽さ、操作性の良さ、デザインといった要素が、今のデジタル機器とは異なる体験なのだろう。
どこで聞いたかもう忘れたが、UI(User Interface)からUX(User Experience)への転換という流れにうまく乗っかっているような気がする。

またこんな記事。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1212859.html
ウォークマン40周年を記念して、初代ウォークマンデザインの音楽プレーヤーを発売するとのこと。
40年前に初代ウォークマンを買った世代を狙った商品化なのだろうが、まんまと欲しいと思った。
音質によって変わるスクリーンセーバーに、当時のカセットデザインが表示されるというギミックもソニーらしい感じがする。
だが、当時一番使ってたのはTDKなんだよな。

ウォークマンでどこでも音楽が聴けるようになり、媒体の大容量化とプレイヤーの小型化が進み、やがて媒体無しに配信という形態に行き着いてしまった。
通信さえあればどこでも安価に音楽を取り出せる、音楽を聴きたいと思ったらネットワークに繋げる、そんな世界で音楽を聴くというコト、つまり体験、Experienceとは何なんだろうとふと思う。
便利で高品質であることが実現されたからといって、その体験の価値が高いとは思えないというのが、カセットテープの人気なのではないかとも考える。
不便で音質が悪くても、レアで通信が無くても手軽に音楽が聴ける体験のほうが価値があるということなのかもしれない。

ラジオは情報ソースのひとつ、TVの音楽番組はアイドルか新人のプロモーションの場になって、音楽を探すのが、ネットに頼ってしまい、じっくりと音楽を聴く時間というのがない気がしている。
もちろん音楽プレイヤーを持って、外出時は音楽に浸るのだけれども、それは聴いているのか、多少疑問が残る。
高級なオーディオ機器を揃えるのでもなく、ラジカセを買って、もう一度カセットを使ってみたら、音楽を聴くという体験をもう一度取り戻すのかもしれない、と思う。
果たしてどうなのか。
だが、良さそうなラジカセというものに、なかなか出会えない。
というか、物色すると高音質で多機能なものを探そうとする自分がいる。
思えば、ラジカセを使っていた当時も、同じことを考えて何台か買い替えていたことを思い出し苦笑する。

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